事例紹介

  1. HOME
  2. 事例紹介
  3. なぜ、プロジェクトは「進んでいるのに進まない」のか ─ERP再構築から見えた、自走するチームをつくる...なぜ、プロジェクトは「進んでい...

なぜ、プロジェクトは「進んでいるのに進まない」のか
─ERP再構築から見えた、自走するチームをつくる
 “目的・協働・文化”の設計

コンサルティング

工場研修とは?

ERP導入や業務改革のプロジェクトでは、計画どおりに進まないことがあります。
スケジュールはある。会議も開かれている。担当者も真面目に取り組んでいる。それでも、重要な課題が解決されず、意思決定が進まない。
「進んでいるように見えて、進んでいない」この状態は、多くの企業で起きています。
一般的には、システムの仕様や要件、プロジェクト管理の方法に原因を求めがちです。しかし、ERP導入・業務改革・プロジェクト再構築に長年携わってきた経験から見ると、本当の原因はもう一段深いところにあることが少なくありません。
それは、人と人との関係性、そしてチームそのものの設計です。

 1.「進んでいるように見えて、進んでいない」プロジェクトの正体

ある企業のERP導入プロジェクトを再構築したときのことです。
複数の部門が関わり、計画もあり、会議も定例で行われている。一見すると、プロジェクトは動いているように見えました。
しかし、実際には重要な課題が解決されず、部門横断の問題は止まったまま。業務部門とIT部門の認識は揃わず、「誰がどこまで判断するのか」も曖昧でした。
さらに、重大な課題が上層部に正しく報告されていないという問題もありました。
現場では問題を認識している。しかし、その問題がプロジェクト全体にどう影響するのかが整理されず、 意思決定層まで届いていない。
結果として、判断すべきことが判断されない状態が続いていました。
私はこの状況を、単なる「プロジェクト管理の問題」とは捉えませんでした。
問題は、同じ目的に向かって協働するための環境が設計されていないことにあると考えたのです。

2.技術の問題に見えて、実は「チーム」の問題

ERPプロジェクトでは、システムや業務要件に目が向きます。しかし、業務部門とIT部門が異なる前提で話していれば、 どれほど優れたシステムでも意思決定は進みません。
業務部門には「現場で使えること」、IT部門には「技術的に実現できること」という立場があります。
どちらも正しい。問題は、その間をつなぐ共通の目的や判断基準がないことです。
さらに、部門横断のプロジェクトでは、メンバーがお互いの立場や制約を十分に理解していないこともあります。
そこで私は、個人を責めるのではなく、チーム全体で課題を扱うための“構造”を整えることを重視しました。

3.再構築の第一歩は「目的と役割を揃える」こと

最初に行ったのは、課題構造の可視化です。
「なぜ課題が繰り返されるのか」「なぜ部門間で止まるのか」「 なぜ重要な問題が上層部まで届かないのか」
こうした問いから、課題同士の関係を整理しました。
そのうえで、プロジェクトの目的、役割、判断基準を再設計しました。
ここで大切なのは、外部から答えを押し付けないことです。現場には現場の事情があり、業務部門にもIT部門にも守るべき条件があります。
それを理解したうえで、「なぜ体制を変える必要があるのか」を説明し、関係者が納得して再設計を進められるようにしました。
目的が揃えば、判断に迷ったときの基準ができます。逆に目的が揃っていなければ、それぞれが自分の立場から正しい判断をしていても、組織全体としては前に進まなくなります。

4.次に「横のつながり」をつくり直す

縦方向の責任体制はつくれていても、部門をまたぐ課題は、誰か一人の責任範囲には収まりません。
そこで、部門横断のチームづくりに取り組みました。
•目的・役割・課題の共通認識づくり
•部門横断の重要課題を討議する会議体の再構築
•業務部門とIT部門が互いの知識を学ぶ場の設計
•誤解を解消し、相互理解を促す対話の場づくり
重要なのは、コミュニケーションの量ではなく、必要な人が、必要な情報を持って、必要なタイミングで話し合える状態をつくることです。
一気に理想の状態を目指すのではなく、無理のないステップで小さな成功体験を積み重ねる。その積み重ねが、次の行動につながります。

5.再構築の結果、何が変わったのか

プロジェクトの遅延は解消され、リスケを回避できました。テスト工程の品質も向上し、後工程での再作業も減りました。 しかし、最も大きな変化は数字ではありません。
•部門間の信頼関係が戻った
•課題を「相手の問題」ではなく「自分たちの課題」として扱えるようになった
•目的と判断基準が共有され、意思決定が進むようになった
•協働が自然に生まれた
•外部が細かく指示しなくても、チーム自身が動ける状態になった
プロジェクトを動かすのは、システムでも計画でもなく、人と関係性であることを改めて実感しました。

6.中小企業・スタートアップにも共通する「止まる構造」

この考え方は、中小企業やスタートアップにもそのまま当てはまります。
人が少なく、一人が複数の役割を担う。変化が激しく、昨日まで正しかったやり方が今日には合わない。属人化が起きやすく、情報が分断されやすい。
「人が動かない」のではなく、人が動きたくても動けない構造になっていることがあります。
だからこそ、必要なのは「もっと頑張ること」ではなく、限られた人数でも動けるように、人とチームのつながり方を設計し直すことです。

7.自走する組織をつくる「目的・協働・文化」

私は、組織づくりの軸を次の三つに整理しています。
● 目的
何のために動くのか。判断に迷ったときの基準を揃える。
● 協働
誰と、どうつながって動くのか。役割だけでなく、横の連携を設計する。
● 文化
どのような行動を当たり前にするのか。相談・共有・対話・改善の積み重ねが信頼を生む。
目的が方向を示し、協働が動き方をつくり、文化がそれを継続させる。
この三つが揃って初めて、組織は自ら動けるようになります。

8.組織は気合では動かない。設計で動く。

組織づくりは、一気に変えるものではありません。
まず一つの課題を選び、関係する人たちが同じ目的を持って話し合うことから始める。
小さな成功体験を積み重ねれば、組織は変わります。
ERP導入や業務改革の現場で培ったプロジェクト再構築の経験を、中小企業・スタートアップの組織強化にも生かしていきたいと考えています。
技術と業務をつなぎ、 プロジェクトを立て直し、最終的にはチーム自身が前に進める状態へ。
それが、私が目指している伴走支援のかたちです。

お気軽にご相談ください

困っていることや、改善したいことなど
お気軽にご相談ください。
貴社にマッチするサービスと
コンサルタントを
ご提案させていただきます。

ご相談・お問い合わせ

まずはお気軽にご相談ください

困っていることや、改善したいことなど、
お気軽にご相談ください。
貴社にマッチするサービスとコンサルタントを
ご提案させていただきます。

ご相談・お問い合わせ